いよいよ、中小企業にも2021年の4月より「同一労働・同一賃金」の適用が始まります。
2020年10月13日と15日に、正社員と非正規雇用労働者の「同一労働・同一賃金」に関する2つの最高裁判決が話題となりました。
@10月13日の大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件は賞与・退職金を支給しなくても「不合理ではない」とされました。
A10月15日の日本郵便の事件では、各種手当・休暇に関する待遇差が「不合理」(支給すべき)であるとしました。
「不合理」か否かの判断基準は、1業務内容、2責任の程度、3配置転換の有無、4その他の事情となります。
この4つの要素で「説明」できないものは不合理となります。例えば、通勤手当、無事故手当、皆勤手当、精勤手当などがあります。
しかし、正規と非正規の取扱いについて、賞与・退職金・手当等で支給額に差があってもできるだけ支給するようにし、非正規労働者に支給しないようにする事はなるべく避けるようにしたいものです。
食堂の利用や厚生・福祉関係適用についても差を設けるべきでないのは言うまでもありません。
そして、使用者は正規と非正規の取扱いの差について、労働者から説明を求められたら説明責任を果たさなければなりません。
また、定年後再雇用者の基本給減額の是非が争われた訴訟の判決で、名古屋地裁は10月28日、同じ仕事なのに基本給が定年前の6割を下回るのは不合理であるとして名古屋自動車学校に未払い賃金分の支払いを命じたことにも高齢者雇用に影響があると考えられます。 |