社労士会 江東支部
厚生労働省
日本年金機構
中小企業庁
 

2019年10月10日
最低賃金の改定がありました

街を歩いているとMハンバーガーショップの前のアルバイト募集のポスターが新しくなっており、「時給1,015円〜」となっていました。これまでの時給がいくらで表示されていたか記憶にありませんが、900円台であったことは間違いありません。

これは2019年の最低賃金の改定が10月1日に行われたからです。初めて東京都と神奈川県の最低賃金がそれぞれ1,013円、1,011円と1,000円台になりニュースでも大きく報じられました。近県では千葉県923円、埼玉県926円となっています。

最低賃金の全国平均は901円となりましたが、政府が目指すのは全国平均1,000円です。ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック、IR誘致、大阪万博と大型イベントが続き労働者不足の状況の中で最低賃金を上げていくことにより、生産性を向上できない企業は淘汰されていくことになります。世界でも低いとされている日本の生産性をこのようにして引き上げを図っています。 

ところで最低賃金が守られていない場合は罰則があるのは知られていますが、該当するのは時給だけではありません。月給であっても時間当たりの賃金を計算して最低賃金が守られていなければなりません。

月給を時給へ換算する計算の仕方を確認します。
東京での事例を見ていきます

  1. 年間所定労働日数   255日
  2. 月給         220,000円 

    内訳  基本給  150,000円
職務給   20,000円
家族手当  30,000円
通勤手当  20,000円

  1. 所定労働時間   毎日 8時間

まず月給22万円から最低賃金の対象とならない家族手当、通勤手当を除くと月給は17万円となります。

次に
1ヶ月平均所定労働時間=(年間所定労働日数255日×8時間)÷12ヶ月=170時間

月給額÷1ヶ月平均所定労働時間数≧最低賃金額

上の計算式に数字を当てはめると
月給額 170,000円÷170時間=1000円<1013円

したがってこの場合は最低賃金を満たしていないことになりますので、10月より月給を上げなければなりません。長年初任給を変更していない事業所等では確認の必要があるかもしれません。

 
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